「お魚くわえたドラ猫」さん。こんにちは!可撤式の上顎側方拡大装置のご質問ありがとうございます。装置が5回も壊れれば、不信感も持って当然と思います。しかし、壊れやすい患者さんというのが確かに存在しており、それはその子の性格とは関係なく、筋肉の強さが関係している事が多いです。 担当の先生にすれば、技工士さんにお願いして一つの装置を作成するのに、1万円以上、2万円から3万円前後かかるのが普通ですから、単純に5個作ると5万円以上10万円から15万円近い出費になっているかも知れません。ここまで7万円の装置代のうち、半額支払っている訳ですが、担当の先生は、すでに大赤字のことと思います。この先生が逆切れされるお気持ちもご理解いただけるでしょうか? 「ドラ猫」さんにすれば、原因も考えすに同じようなものを作るからとお考えですが、特に、このような可撤式の装置は破損しやすいようですね!装置を装着する時には、装置をチジメてパチンという感じで入れる必要があり、外す時にもしっかりはまっている装置をパチンと外す必要があるからです。さらに、これらの装置は患者さんが使ってくれなければ全く効果がありませんので、我々専門医はあまり使用しません。 また、<息子の歯並びが今なら、まだ間に合う>とお考えのようですが、全ての患者さんで、側方拡大さえすれば抜歯しないで間に合うわけではありません。 非抜歯で治療するための歯列弓の拡大の方法は3つあります。 1.前歯を前方へ押し出す方法。前歯がすでに出ている子には不適です。 2.あごの横幅を広げる方法。固定式の装置で7〜8mmが限度です。 3.奥歯を後退する方法。良い方法ですが、やりすぎると第二大臼歯のスペースがなくなります。 「ドラ猫」さんのお子様の場合は、この2つめの側方拡大を行っているわけですが、1や3の方法は考慮に入られていますか?この歯列弓の拡大を行っても並べられない方が抜歯になるわけです。抜歯が必要な患者さんは、全体の3割から5割程度ですので、なぜ<息子の歯並びが今なら、まだ間に合う>と信じておられるのか、数字の根拠はお持ちでしょうか? このへんの見極めは、我々矯正歯科医の能力が必要と思いますので、ぜひ一度ご相談下さい。そして、本当に<息子の歯並びが今なら、まだ間に合う>のであれば、上記の3つの方法も考慮に入れる必要がありますし、側方拡大が本当に必要であれば、時期を待って固定式の装置で一気に拡大する方が得策と思いますが、いかがでしょうか??
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