トモさん、初めまして! またまた、難しいご質問ありがとうございます。 「前歯は1ミリ程噛んでない状態ですが担当医は来月装置を外すというので、正直納得出来ないでいます。」 というであれば、ぜひ担当医と装置を外す次期について相談してみて下さい。 きっと担当医も悩んでいると思いますよ!!
舌癖による開咬の治療は、矯正治療の中でも最も難しいものです。 ご存知のように、舌の癖が治らないと、ゴムなどを使用して上下の歯を接触させても、ゴムを止めるとまた開いて来ます。このため、やはり舌の癖という原因が残っている限り、開咬が再発する可能性があります。
特に大人の患者さんの場合は、精神的に舌の事でいっぱいになり、結構辛いことも多いと思います。 舌の癖の起源は、まだ「おっぱい」を飲んでいた頃の、舌を上下のあごの間に挿んで、奥歯を咬まないでミルクを飲み込む反射運動が、歯が生えて来てからも続いてしまったことにあります。従って、二十数年間の反射運動を、意識して変える事の辛さは本当に解りますが、ここを乗り越える事ができるかどうかが、治療後の咬み合わせを安定させられるかどうかの鍵になります。
私の場合は、装置を外す時期は患者さんの希望を第一に優先します。 「装置を外してリテーナーに切り替えて、舌のトレーニングで前歯の隙間が閉じるという事は考えられますか?」 というご質問ですが、舌の癖を本当に気にされている患者さんは、装置を外した後、どんどん良くなる方は、たくさんいらっしゃいます。 逆に、どんどん咬み合わせが浅くなって、開咬が再発してしまう方もいます。 原因は、舌の癖がどのくらいコントロールされているか?という事です。
ここからは、私の想像ですが、トモさんの場合は「舌の事で頭がおかしくなりそう」なくらい頑張ってくれているので、担当医も思い切って外してみようと思ったのではないでしょうか?? 舌の癖は、経験上、100%なくならなくても、50%違う飲込み方をするだけでも、歯にかかる力は、かなり異なるような気がします。これには明確な証拠があるワケではないのですが。
このように、治療はどうしても「トライ&エラー」になってしまいますので、担当医と患者さんの呼吸を合わせることが大切になります。 上記の事を頭に入れて、ぜひ担当医と外す時期について、良くご相談して下さい。 また、解らない事などありましたら、書き込みお待ちしております。
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