子供の歯が叢生 |
2009年7月7日(火)17:35:50相談者:サトウ 【神奈川県】 女性 33歳 |
子供が1歳半健診で「叢生」と言われてしまいました。 確かに言われてみると、下の前歯4本が 素人目にもややガタガタしている感じです。 歯医者で苦労せずに済むよう、最初の歯が生えた時から 歯磨きなど気をくばってきただけにショックでした。 (幸い虫歯はありませんでしたが…。)
「叢生」が起こる原因は何でしょうか? どうすれば起こらなかったんでしょうか? 私がもっと食事に気を遣うべきだったのかと落ち込んでいます。
また、数年後の永久歯への生え変わりに向けて 親としてこれから何をしていけばよいのでしょうか?
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Re:1歳半の叢生について |
2009年7月8日(水)17:05:14回答者:小笠原 潤治
(ウイズ矯正歯科) |
サトウさん、初めまして。せっかく歯磨きに気を配っていたのに、叢生と言われてショックなお気持ちは本当に良く解りますよ!私も開業以来18年間、1歳半検診の担当医をさせていただいておりますので。
さて、ご質問の「叢生」が起こる原因ですが、これは、そのお子さんが持っているアゴの大きさと、新しく生えて来た歯の大きさが、歯の方が大き過ぎるために、隣同士の前歯が押し合いへし合いして、歯並びが悪くなているからです。
この原因はほとんどが遺伝的な要素によります。 遺伝はお父さん、お母さんから、それぞれ部品で遺伝すると考えてください。 例えば、目はお父さん似、鼻はお母さん、耳の形はお婆ちゃん似、あごの形は…などです。
ここで、お母さんは、あごも歯も小さい方で、歯並びはとても良い方としましょう。お父さんは、歯もあごも大きく、とても歯並びが良いとしましょう。 しかし、生まれたお子様がお母さんの小さいあごとお父さんの大きな歯をもらってしまうと、とても歯並びの悪い子になってしまいます。
この遺伝的な要素以外に、後天的な食物の堅さが、あごの成長に与える影響についての動物実験が鹿児島大学で行われています。 遺伝的にほぼ同じ形質を持つネズミに、硬いエサとドロドロの咬まなくて良いエサを与えて育てた結果、硬いエサで育ったネズミより、ドロドロのエサで育ったネズミは下あごの大きさが小さい事がわかっています。
つまり、これ以降は、歯ごたえのある食物を食べた方が、あごの発育が良いという事ができます。歯ごたえのあるものと言うと、スルメや昆布を咬ませるおじいちゃん、おばあちゃんがおりますが、そういう硬いものではなく、回数を咬まないと飲み込めないものと言う意味です。 例えば、ビスケットのような焼き菓子は、最初だけパリパリと歯ごたえがありますが、直ぐに口の中でドロドロになってしまいます。しかし、野菜スティックやキャベツのような野菜は、よーくモグモグしないと飲み込めませんね。
このように、硬いものを一瞬で咬み砕くという瞬発力よりも、しっかり回数を咬むような食物を食べさせてあげると、歯や歯茎の自浄作用も良くなり、あごの発育にも一役買うことになります。しかし、今から一生懸命に咬ませても、生じてしまった叢生が良くなるかどかはわかりませんが。
今後のあごの成長によって、5〜6歳頃には、乳歯の前歯の先端が削れて歯が短くなったように見え、さらに、あごの幅が大きくなって、歯と歯の間に空隙が開いて「スキッ歯」になるのが正常です。
「せっかく気をつけていたのに、叢生になった」とお考えになるより、気をつけて虫歯は防いだけど、「歯並びだけ、遺伝的な要素によって、悪くなっちゃった」とお考え下さい。お母さんが頑張ってると、きっとお子さんも立派になりますよ!!ただ、完璧を求めないで、頑張ってあげてくださいね。
また、解らないことがあれば、書き込みお待ちしております。
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Re:子供の歯が叢生 |
2009年7月9日(木)09:17:56返信者:サトウ
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今までの育て方(授乳や離乳食など)に問題があったのかと悩んでいたので 遺伝的要素が大きいとわかって安心しました。 遺伝子レベルでの問題ならもうしょうがないですもんね。
そういえば自分も幼稚園くらいの頃、 歯医者で「あごが小さいのでひょっとしたら数年後に矯正が必要になるかも」 と言われた経験があることを思い出しました。 たぶん私に似てしまったんだなぁ…と。
教えていただいた通り、しっかり回数を咬むような食物を食べさせ 今後のあごの発育に期待したいと思います。 先生の優しい回答に気持ちが救われました。ありがとうございました。
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