ハーマイオニーさん、こんにちは!今まで、がんばって来たのにという思いは、本当に良く解ります。4年間も何をしていたのか?という思いもあると思います。
女の子が一番身長が伸びるのが、小学校5年生から6年生にかけてです。この時期には身長が伸びるだけでなく、上のあごはあまり大きくならないのにもかかわず。下あごの骨だけが、身長の伸びに少し遅れてどんどん大きくなります。
この時、上下の前歯の咬み合わせが逆のままだと、下あごの前方への成長を抑えるものは何もない状態になるので、上下の前歯の咬み合わせを正常に整えて、上下でしっかりと咬むことで、できるだけ下あごが前方へ成長し過ぎるの防ぐために、上の前歯を前へ出していたのではないでしょうか?
しかし、前歯の咬み合わせをどんなに治しても、それを乗り越えて下あごが大きくなてしまう患者さんもおります。もしかすると、ハーマイオニーさんのお嬢さんも、この「骨格性の下顎前突」かも知れません。この時期を「思春期性の成長のスパート」と言います。
私の診療室では、このような骨格性の下顎前突が疑われる子の場合には、おおむね小学校2、3年生から上下の骨格自体の治療を行って、できるだけ思春期性の成長のスパートの時期に下あごが上あごを追い越さないような治療を行っています。場合によっては、永久歯へ生え替わる前の幼稚園の年長さんの乳歯期からでも、これらのあご自体の治療を行うことがあります。
しかし、私のように上下のあご自体の位置の治療が可能と思っている先生方がいる一方、下あご自体の成長のコントロールは不可能であるから、骨格性の下顎前突の場合には成長の終了後に、外科手術を行って治療すべきであると考える先生方もいます。
確かに私の診療室でも、小学校低学年からあご自体の成長の誘導を行っても、大学生になって外科手術を行った患者さんが、100人中数人おります。これを小さい頃の治療が有効と見るか、やっても無駄と見るかは、その先生によると思います。私は、小さい頃のあごの治療によって、外科手術になる可能性は確実に低くなると思っているのですが。
さらに、私の患者さん達は、初診時より思春期性の成長により、どうしても下あごの成長が押さえきれない事があり、そういう場合には外科手術の対象になることもありうる事をお伝えしてあります。
ハーマイオニーさんは、突然、手術という話が出て来たので、びっくりされていると思いますが、そろそろ担当医からも「手術された方が良い」と言われる時期が近づいていると思います。
手術しないでなんとかならないか?というお気持ちは良く解りますが、やはり限度があります。あまりにも上下のあご自体の位置がズレていると、上の前歯を限りなく外側へ傾斜させ、下の前歯も限りなく内側へ傾斜させる事になります。場合によっては、下の歯の根が下あごの骨にあたって、根の形が浮き出てくるような場合のあります。
さらに、上唇の部分が短く下唇からあごの先端までの長さが長くなり、魔法使いのお婆さんのような感じになってしまう事もあります。このため、ある一定の限度を超えて下あごが大きくなってしまったら、やはり手術して下あご自他の大きさを小さくしたり、上あごを前方へ移動して治した方が良い結果が得られます。
残念なお気持ちは解りますが、今後、最も良い状態に仕上げるにはどうしら良いかを担当医と相談してみて下さい。また、解らない事があれば書き込みお待ちしております。
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