なつきさん、ご質問ありがとうございます。
さて、ヘッドギアーのタイプについてですが、現在一般的に使われていものは、帽子のように頭にかぶるタイプと首の後ろからネックバンドと言うパッドから引く2つのタイプがあります。
ヘッドギアーは御存知のように、お口に中の奥歯についたチューブに内側の太いワイヤー入れて、さらにもう一本のお口の外に出るワイヤーを、前記した2つにタイプの固定源についているバネやスプリングから上の奥歯を後方へ引く構造になっています。
この時、かぶるタイプのものは上方で後ろへ引く力がかかり、首の後ろのネックバンドから引くタイプのものは、やや下方向で後方へ引く力がかかる事なります。
奥歯を引く方向が異なっていますので、当然歯の移動方向も異なります。 つまり、帽子状のかぶるタイプのヘッドギアーは奥歯は生えてきた方向と逆方向へ移動し、首の後ろのネックバンドのものは、奥歯の生えて来た方向と同じ方向へ移動します。
このように奥歯の垂直的な移動方向が正反対になりますので、当然使用する症例は選択する必要があります。
ここで、上あごと下あごを建築物の屋根と土台にたとえると、歯はその間で支える柱の役割をになっています。
さらに、この事を考え合わせながら、ヒトの顔の形のタイプについても上下的な長さによって2つに分けられます。1つは縦に長い顔のヒトと2つ目は上下のあごの垂直的な距離が短いエラがはったように見える四角い顔のヒトです。
この顔の2つのタイプは、上下の間を支える奥歯の高さの高いヒトと低いヒトとも言い換える事ができます。
ここまで説明すると、なるほどと思っていただけると思いますが、顔の縦に長いタイプのヒトに首からのヘッドギアーを使用すると、上の奥歯がさらに伸びて来て、もっと長い顔になってしまいます。また、顔の縦の長さが短いエラが張ったヒトに頭にかぶるタイプのヘッドギアーを使用すると、上の奥歯の長さはさらに短くなりますので、四角い顔がさらに四角くなり、このような奥歯の垂直方向への移動は避けなければならない事は、ご理解いただけると思います。
別の見方をすると、前歯の咬み合わせが深いヒトは首の後ろへ引くタイプで、前歯の咬み合わせが浅くて前歯が咬み合わないようなヒトは、かぶる装置の方を選択すべきです。
ただし、長い顔のヒトでも咬み合わせが深いヒトもいますし、四角い顔のヒトでも前歯の咬み合わせが浅いヒトもいますので、これらの使いワケはそれほど単純ではありません
なつきさんが、かぶるタイプのヘッドギアーになった理由をぜひ担当医にもお聞き下さい。私のような一般論ではなく、もっとハッキリした理由を教えていただけると思います。 また、ヘッドギアーの装着時間ですが、日本矯正歯科学会専門医の中でも様々なご意見をお持ちの先生がおりますので、自分で勝手に判断せずに必ず担当医にお聞き下さい。その上で、指示に従って下さい。とても良く効く薬でも、容用量と用法を守ってお使い下さいと言うのと同じです。
少しでも、なつきさんの矯正治療の手助けになれば嬉しいです。 担当医に聞いても良く解らない事がありましたら、書き込みお待ちしております。
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