ご質問ありがとうございます。 とても参考になるご質問で感謝します。できれば、ハンドルネームで結構ですので、お名前をいただけると嬉しいです。 結論から言うと、大人になってから、急にではありませんが徐々に歯並びが悪くなる事は意外に良くあります。
以前、他の方の質問にもお答えしたと思いますが、物を噛み砕く時の数十キロという咬合力で歯は移動しませんが、100gから150gくらいの弱い力が持続的に作用すると歯はスルスルと動きます。従って、食物を飲み込む時に舌で前歯をいつも押す癖があると前歯が外側へ出てきます。
大人になってからの要因としては、下の親知らずが前方へ90度倒れて、その前の第二大臼歯を前方へ押し出す事は良くあります。すると、せっかく矯正治療を行って真っすぐに並べた下の前歯が凸凹になってくる事があるのは、矯正歯科医であれば、ほとんどの先生が経験されていると思います。
もう一つ考えられることは、奥歯の高さの変化です。「歯ぎしり」で歯が削ずられたり、虫歯の治療などで奥歯に冠をかぶせてもらう時に「高い」「高い」と言って、どんどん削ってもらったりすると、奥歯での咬み合わせの高さが減少してしまいます。 奥歯での高さの変化は非常にわずかでも、前歯ではかなり大きな変化が現れてしまいます。これは、支点の近くで起きた変化が支点から遠ざかるにつれて何倍もの大きさに増幅されるという事です。 これによって、前歯が強く当って凸凹になったり、上の前歯が下の前歯によって突き上げられて、上の前歯がズレてきたり、隙間が開いてきたりしますので、ご注意を!!
今回のご質問はこのような原因によるものかも知れません。 悪くなった前歯の位置は親知らずを抜いたり、奥歯の高さを調整しただけではなかなか良くはならないと思います。これらの悪くなった原因を除去する事は重要ですが、積極的に矯正治療を行って歯の移動を行った方が早道です。
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