SSさん、矯正治療の仕上がりについてのご質問ありがとうございます。 右上の第一小臼歯のみの片側的な抜歯を行なって仕上げられているようですね。 上下の歯が強く当るのを早期接触といいます。 SSさんの場合は、できるだけ抜歯する本数を少なくした結果、右側の咬み合わせがうまくいかなくなったようです。このような不規則な抜歯は仕上げが非常に難しいものです。 このため、仕上げに咬合調整と言って、歯の表面の一番堅い部分(エナメル質)を少し(0.1mmから0.2mm程度)削って早期接触をとり除く事が必要になってきます。歯を削ること自体はあまり褒められたものではありませんが、1本しか抜いていないので「抜くよりは良いでしょう」という理屈です。 大きく2つの考え方がある事はご理解下さい。 1つは今回のように、抜歯をできるだけ少ない本数にした結果、咬み合わせがうまく行かない部分や抜歯したスペースを完全に閉鎖することができずに、咬合調整を行なうやり方。 2つめは、対称な抜歯をして、できるだけうまく咬ませて、スペースも完全に閉じようとする方法です。 それぞれ、一長一短があり、その症例によって、さらに患者さんの希望を聞いて、それぞれの担当医が責任を持って選択するものものです。SSさんの場合も、抜歯して治療を開始する前に、説明を受けているハズですがいかがですか??咬合調整を行なったからと言ってその治療が失敗ということはありません。しかし、矯正歯科医はあまり好きではないですネ。 矯正治療はその患者さんの持っているあごと歯を最大限に生かして、最も適した治療方法を選択するものです。美容外科のように、その患者さんの持っているもの自体に足したり引いたりする事は、あまり好まない治療です。SSさんの「この治療で良かったのかな??」という気持ちはわかりますが、左の咬み合わせは抜かずにキレイに揃っていることと、右の犬歯あたりの咬み合わせがうまく行かないことが、今回の片側抜歯のメッリトとデメリットとお考え下さい。
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