海外在住の匿名さん、こんにちは! 8年間の下顎前突の矯正治療にすっかり嫌気っがさしているご様子ですね! お気持ちはわかりますが、骨格性の下顎前突の場合、成長によって下あごばかりが大きく傾向が強いです。治療は、この成長との戦いになりますので、どうしても長期間の管理が必要です。 つまり、身長が伸びる時に上あごはそのままなのに下あごばかり大きくなると言うことです。身長の伸びは女の子の場合には中学生いっぱいで収まる事が多いですが、男の子の場合は高校生になっても、3から5センチくらいは伸びる事が多いのです。せっかく、小学校2年生から中学校3年生まで8年間も下顎前突の治療を続けていても、この時期に下あごのオーバーグロースによって、また咬み合わせが逆になってしまう事もあります。
さて、では親知らずがこのような成長を持つ子にどのような影響を与える事が考えられるのでしょう? 下の親知らずの萌出方向は前方で下の奥歯を前へ押し出す場合が多いです。 これだけ考えても、下あご自体の大きさが大きくなるのに加えて、下の歯が全体に前方へ押し出されるのは避けたいのはお解りいただけると思います。 さらに、親知らずは関節(支点)にもっとも近い所にありますので、ほんの少しの奥歯の移動が前歯などの咬み合わせに大きな影響があります。
以上のように、匿名さんの息子さんが、これからさらに身長が伸びるようであれば、とても安心して「寮生活をすることをきっかけに 治療を終了。」とは行きません。 担当医としては、患者さんがすっかり嫌気がさしているのを察して、この辺で一旦治療を終了しますが、せめて親知らずくらいは抜歯して不安な要素を一つでも減らして欲しいというところではないでしょうか?
患者さんのために良かれと思って、あの手この手をつくして骨格性の反対咬合を治療しても、患者さんにはネガテブなにしか受けとってもらえず、嫌気だけが積み重なっていくというのは、いくら代金をいただいているとはいえ大変悲しい事です。 男の子の骨格性の反対咬合の治療には、時間が必要である事を少しでもご理解いただき、担当医と同じ気持ちで治療に御協力いただければ嬉しいです。
また、質問の際にはお名前くらいはお書き下さい。人に質問する時の最低限の礼儀ではないでしょうか?
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