かえるさん、難しいご質問ありがとうございます。 上の側切歯の過剰歯はどちらだったのか?と言う事ですネ!
このような場合、2つの視点から考える必要があります。 一つは2本ある側切歯のうち、どちらが過剰歯で、どちらが本来の側切歯なのか? 二つ目は、犬歯が中切歯の隣に生えて来る事を考慮に入れると、どちらを抜歯した方が有利かという事です。
文章を拝見すると、犬歯は本来の位置ではなく、中切歯の隣から生えて来ているようですので、側切歯と犬歯の位置が入れ替わっている「移転」の状態のようです。このような場合には、犬歯が移転した位置に萌出する時に、その位置にすでに生えている側切歯(90 度か移転した歯)の根を吸収してしまうことが良くあります。
ここからは、私の想像ですが、初診時には90°捻れている歯を修正して側切歯として使用する予定で治療を始めたのですが、途中で犬歯が本来側切歯が生える位置に向かって萌出を開始したのではないでしょうか?このため、犬歯によって根を破壊されそうな不利な位置にあった90°捻れた歯を抜歯して、犬歯を萌出させる事にしたのではないでしょうか?犬歯と離れた所に生えて来た側切歯の位置を交換するのは、大きなリスクを伴いますので、最終的に132という並びで仕上げる予定と思います。
さてここで、最初の90°捻れた歯の治療は無駄だったのか?というご質問ですが、最初からこの歯を抜歯する予定であれば、当然、この歯の移動は行なわなかったでしょう。しかし、初診時では犬歯の萌出方向がはっきりせず、元々側切歯の位置にある歯を側切歯として修正するのは当然です。このため、初診時での上の前歯の位置の修正には間違いがありません。 むしろ、犬歯が本来の側切歯の位置に萌出して来て、側切歯の根が吸収しそうになっても、もう一本側切歯として使えそうな歯があったので、途中から90°回転した側切歯を捨てた仕上げに変更したものと考えられます。 このへんのところが、担当医とかえるさんのコミニュケーションが上手く行っていないポイントのような気がしますが、いかがでしょう??
以上から考えると、最初の治療は結果として無駄だったのだからお金を返して欲しいというのは、いかがでしょうか? さらに、かえるさんの意見では、離れた所から生えてきてる歯を抜いた方が良いとの事でしたが、もしこの歯を抜いていたら、90°回転した歯の根が破壊される根吸収を起こしていたと思います。そういう意味でも、かえるさんの考えられている歯の抜歯は選択しなかった事に感謝すべきでしょう。
一つの治療も見る方向によっては、別の意味が隠れている事が良くあります。 ぜひ、担当医ともしっかりとお話をしてみて下さい。 また、質問があればお待ちしております。
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