小2娘の父さん、こんにちは!治療開始時期と抑制矯正治療の意義についてもご質問ありがとうございます。 「自然な成長で顎が大きくなって、歯がうまく納まるのではないのか」と言う期待はごもっともですが、残念ながら今後のあごの成長は、前歯の部分での大きさの成長はほとんど期待できません。 あごの成長はこれから生えてくる奥歯の部分が後方へ幅を広げながら大きくなって行きます。これは、まだ生えていない第二大臼歯のスペースを確保するような成長が起こります。
従って、担当の先生がおっしゃっているように「自然な成長で顎が大きくなって、歯がうまく納まる」ことは、ほとんどないと言って良いでしょう。
ここで注意しなくてはならないのは、小学校2年生のこの時期に行う「抑制矯正治療」は、歯並びだけを考慮したものではありません。この時期に必要なチェックポイントは
1.上下のあご自体の前後的あるいは左右への位置に問題がないかどうか? 2.新しく生えて来た永久歯の歯並びによって、あごをズラして咬むことによってあごがズレていないか? 3.指しゃぶりや爪咬み、口呼吸や舌の悪い癖によって、あごの成長や前歯の位置に悪い影響が出ていないか?
以上3点がこれから必要な抑制矯正治療のターゲットとなります。 これらは、今後のあごの成長によって、あご自体の位置がさらに悪化するのを防ぐのが目的です。 歯並びは、あご自体の問題がなければ、全部の永久歯が生え揃ってからでも可能です。
ただし、歯の生えるスペースは足りない場合に、奥歯を後方へ移動することができれば、歯を抜いたりしないで治療できる可能性が高くなりますので、抑制矯正治療を行うことで、非抜歯での治療の可能性が高くなることも確かです。
以上、この時期の「抑制矯正治療」の意義を少しご理解いただけたでしょうか?これらの治療は身長が大きくののび、あごの成長も大きくなる小学校5,6年生になる前に完了しておく必要があります。つまり、小学校2、3年生から開始する必要があります。 我々矯正専門医はこれらの要点をおさえて、この時期にどのような治療が必要か考えます。 このあごの位置のコントロールがある程度できる可能性のある時期に、「何年か経過観察」をしていたのでは、大切な治療のチャンスを逃してしまうかも知れません。 ぜひ、上記を再考の上、認定医以上の資格を持っている矯正歯科医にもう一度ご相談下さい。 また、解らない事があれば、書き込みお待ちしております。
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